パソコンの電源というと直接性能に影響するパーツではないので軽視されがちなのですがパソコンの故障の原因でもっとも多いのがこの電源なのです。
そこで今回はパソコン電源の選び方についてご説明させて頂きます。

まず、なにより大切なのが電源容量。
一般的なPCですと400W~500Wもあれば十分なはずです。が、こと編集用PCになると500Wでは電源が不足することがあります。
これはCPUやGPUの性能が高い製品を搭載=消費電力が大きいという事とHDDの台数、メモリの枚数が多いことが理由になります。
HDD、DVDドライブやBDドライブ、ケースファン等のモーターを使用した製品(回転体)は電源投入時に通常稼働時の2~3倍程度の電流を必要とします。時間としてはわずかなのですがここで電力が足りなくなると起動に失敗します。常に失敗する場合もありますが「起動したり、起動しなかったり」と非常に不安定になる場合もあり、こうなると問題の切り分けが非常に面倒です。
また、電源は消耗品です。使っていれば当然に劣化します。劣化に従い電源が出せる電力が低下する事も考慮する必要があります。

では、どのように選べば良いかと言うとまずご使用のパソコンの大体の電源容量を計算して電源容量の50-70%以内に収めるのが良いといわれております。

各部品の電力計算は次のように行います。

☆CPUの最大電力計算
TDPがIntelのWebに公開されております。
例としてCore i7の6800Kという製品の下記Webをご参照ください。
http://ark.intel.com/ja/products/94189/Intel-Core-i7-6800K-Processor-15M-Cache-up-to-3_60-GHz
上記のパフォーマンスという項目の最下段がTDPになります。ただしこのTDPというのは純粋な消費電力でなく熱設計電力といわれ熱に変わる部分の電力量です。ここから最大電力を正確に計算するのは無理なのですが大体1.5倍程度といわれております。しかしながらハイエンドCPUになるに従い倍率が上がるので電源の電力計算の際には1.5倍で計算するのをお勧めします。上記の6800Kですと140WがTDPですから概算最大電力は210Wとなります。

☆GPUの最大電力計算
殆どのメーカーで最大消費電力が公表されております。
下記はASUS社のGTX1080のビデオチップを搭載したGPUですが最大電力300Wと表記されております。
https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/ROG-STRIX-GTX1080-O8G-GAMING/specifications/
最近のGPUはデフォルトでオーバークロックされていることが多くチップベンダーの
nVIDIAが発表しているTDPから概算する事は難しいです。上記のGTX1080ですとTDP180Wと掲載されてますのでどうしてもわからない場合はこちらもTDPの1.5~2倍で計算しましょう。

☆その他
HDDやメモリ、各FAN、光学ドライブ等ももちろん電力を消費します。個別に計算すればもちろん良いのですがなかなかに計算するのは面倒です。多段RAID等の特殊なシステムでない限りは合計100Wで計算して構わないでしょう。

例 
CPU:Core i7 6800K 計算値210W
GPU:ASUS GTX1080 計算値300W
その他:計算値100W
合計計算値 610W

610Wを先にかいた50-70%の電源定格におさめるとなると単純には1220W~871Wと大容量電源が必要になりますがここに80%をかけてください。
HDDがスピンナップした時(PC起動時)にGPUが最大電力をつかうことは理屈的にありえませんし他のパーツもすべてが最大電力動作ということはありえません。
実際にあがる電力は610Wの80%程度で488Wとなりこれを50-70%で納めるとなると976W~697Wとなり、700W~1000Wクラスの電源が適正ということになります。
(電源側も定額と最大電力がありますがここでは話が難しくなりすぎるため省いていることをご了承ください。)
各メーカーともある程度は計算している場合が多いので一般的にすぐに問題になることは少ないのですがカスタマイズでCPUやGPUを高性能品に組み替えた場合も電源容量を増やさないカスタマイズPCが散見されるのも事実です。もちろん買っていきなり動かないということはないでしょうが最初から余力のある電源を積んでない限り寿命が短くなったり電源の劣化により不安定になったりすることがありますのでカスタマイズPCを頼む際の目安として「電源出力は意外に大事」と頭の片隅に置いておくことをお勧めします。