動画編集におけるメモリ容量
メモリの選定方法
一般的に言われているようにメモリ容量は多ければ多いほどベターなのは間違いありません。もちろん予算が湯水のように使えるのであれば最大容量を搭載してしまえば良いです。
しかしながら予算があると出来るだけ無駄なお金を使いたくないのが一般的ですので今回はメモリ容量を決定する目安やちょっとしたコツをご紹介いたします。
まず、基本的にWindows7の場合、お使いのWindowsが32bit版か64bit版かを確認する必要があります。なぜなら32bit版の場合は4GB以上のメモリはOSの仕様上ご使用いただけないからです。
今どきの動画編集機であれば殆どのお客様が64bit版をご利用なさってると思われますが古い編集機をスペックアップする時等は注意が必要です。
参考までにWindows7と10における各エディションでご使用可能メモリ容量を表にまとめておきます。
OS | 32bit | 64bit |
Windows7 Home Basic | 4GB | 8GB avigeneric.com |
Windows7 Home Premium | 4GB | 16GB |
Windows7 Professional | 4GB | 192GB |
Windows7 Ultimate | 4GB | 192GB |
Windows10 Home | 4GB | 128GB |
Windows10 Pro | 4GB | 2TB |
次に一応、チェックする必要があるのがマザーボード(チップセット)におけるご使用可能最大容量。
ここ1-2年でもっとも出回ってると思われるH170やZ170、またつい先日(2017年1月現在)発売されたH270やZ270のチップセットを搭載したマザーボードはどれも最大64GBまでの認識となります。
対してサーバー用のC612チップセットを搭載したマザーボードであれば512GBまでご利用可能なのが一般的です。(マザーボードにより例外がございます。)
種類が非常に多いので表としてまとめることは困難なのですが64GB以上のメモリをご利用頂く場合は事前に良く調べて頂かないと無駄になる可能性が高いです。
最後にチェックするのは編集ソフトになります。
特に注意すべきはEDIUSシリーズをご利用する場合は弊社テストでEDIUS8(2016年11月)8GB以上はEDIUSがメモリを使用しない(できない)ということがわかっております。
(これはバージョンアップにより変わる可能性がございます。また、EDIUSだけでなく他のソフトやOSもメモリを使用するので16GB程度が適正となります。)
対してAdobe Premiere、After Effects等は128GBまでテストしたかぎりでは搭載メモリが多ければそれに比例してソフトのメモリ使用容量が増えることが確認できておりますので基本的に多ければ多いほど性能が上がると考えて宜しいかと思われます。
増設におけるチェックポイント
・Windowsが32bit版か64bit版かをチェックする(32bit版の場合は4GB以上のメモリは無効)
・64bit版の場合はWindowsのエディションをチェックする。
・EDIUSシリーズの場合は16GB推奨、Premier、After Effectsをご利用の場合は基本的に多ければ多いほど高スペックとなる
・64GB以上のメモリを搭載希望の場合は詳しい方にご相談ください。(当社にご相談いただくことも可能です。)
ただし、一つだけ注意事項があります。メモリは搭載すればするほど一般的にドライブCの容量が減ってしまいます。これはページファイルやハイバーネーションファイルと呼ばれる機能の為にOSが勝手にSSDやHDDのエリアをキープしてしまうからです。
Cドライブが大きな場合は特に意識する必要はないのですが大容量メモリを搭載し、現在一般的なSSDをOSブートエリアにご使用いただくとCドライブがあまりに小さくなりすぎる場合がございます。例えば256GBのSSDを使用したドライブCのパソコンに128GBのメモリを搭載すると純粋にOSの容量(Windows7の場合は9~13GB)、ページファイルはメモリと同容量なのでこの場合は128GB、ハイバーネーションファイルは概ね搭載メモリの75%ですので約96GB必要になります。
こうなりますと256GBのうちOSをインストールしただけで約235GBも占領してしまうこととなり残りは25GB程度となってしまいます。こうなりますとドライブCに他のソフトをインストールすることは事実上、出来なくなってしまいます。
編集素材や完パケファイルは別のドライブ(DやE)に入れることも可能ですがドライブCにインストールしないとご使用に不都合がでる、またはドライブC以外にインストールできないアプリケーションも多々ございますので設定し直す必要性がございます
もちろん大容量のディスクにOSエリアを交換することでも対処可能なのですがOSの引っ越しとなりますとかなり手間がかかる作業になりますので次回にこちらを適正に設定する方法を書かせていただきます。