概要

昨今続発する大雨、河川氾濫や地震等の自然災害の備えとして、当社でもBCP(事業継続計画)に関するご相談を多々承るようになってきました。BCP(事業継続計画)とは簡単に申し上げますと「有事の際に会社やサービス継続の体制を維持再開できるようにするか」という計画です。もちろん”有事”とは何も大規模災害だけではございません。特に中小企業においては対策を施してないことも多く極端な話「間違って重要ファイルを上書き保存してしまった」、「突然ノートパソコンが一台壊れた」、「ファイルサーバーの電源が抜けた」・・・たったこれだけで顧客データを失ったりサービスを長期中断せざるえない状況に追い込まれることも多々ございます。

そんな状況を避けるために会社規模を問わずBCP対策は必須と言えるのですが専門知識が必要になる部分も多くシステム担当者がいない企業様ではまともに対策を取る事ができないのが多いようです。当社にご相談いただけましたら数人の零細企業から数百人の企業までそれぞれの規模やご予算に応じてBCPシステムをご提案させていただきます。

*BCP(事業継続計画)とは広義の意味では昨今の新型コロナウィルス(COVID-19)によるテレワークやデータ共有等も含みますが、こちらのページでは主にデータ保護を取り扱わせていただきます。テレワークやデータ共有に関しては下記をご参照ください。


基本構成(単拠点)

もっとも単純で最低限の基本となるのがNAS内に各データを保存し単純に2台目のNASにバックアップを自動で取りつづけるシステムとなります。NAS1台目の故障対策だけでなく世代管理機能により操作ミスによる重要データの損失を防ぐ事が可能となります。しかしながら地震、津波、火災等のいわゆる災害対策にはなりえません。


基本構成(複数拠点)

最小構成1と基本的に同じ構成ですが複数拠点がある場合は拠点間でバックアップか同期を行うことにより地震、津波、台風等に対してある程度のBCP対策を取る事が可能となります。

バックアップの場合は単拠点に設置する場合と同じくNAS1台目の故障対策だけでなく世代管理機能により操作ミスによる重要データの損失を防ぐ事が可能となります。ただし、この場合のファイルの更新は東京でのみ行う事が必要です。対して同期設定の場合は東京、大阪どちらの支店でファイルを更新することが可能です。しかしながら世代管理機能は基本的に使う事ができません。

設定により同期とバックアップを共に行う事ももちろん可能です。これにより故障対策、世代管理、災害対策が可能です。ただし、データ量が約2倍必要になります。

*拠点間のバックアップ、同期には固定グローバルIPやDDNS、ポート開放等が必要になります。詳しくはお問い合わせください。


堅牢構成

もっとも堅牢なBCP対策として有効なのはインターネットを介したクラウドストレージサービスにバックアップを取ることになります。通称イレブンナインと呼ばれる99.999999999%の耐久性を誇るAWS S3ストレージにデータをバックアップしておく事ができデータのBCP対策としてはほぼ完成されたシステムの構築が可能です。


導入事例

上記のシステムはゼネコンにおける実稼働中の導入事例となります。こちらのお客様は本社内に2台のNASを導入しバックアップを行い、さらにバックアップ用NASからAWS S3 Glacierというクラウドストレージにバックアップをしています。さらにNASのDDNS(ダイナミックドメインネームサービス)を利用し外部から社員がNAS内ファイルにアクセスする事が可能です。BCP対策として完成されたシステムの一例で自然災害対策だけでなく昨今の新型コロナウィルス(COVID-19)による外出自粛などの人的リスクにも対応したほぼ理想的なBCP対策と言えるでしょう。

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