Comstation for Davinci Resolve 新発売
DaVinci Resolve におけるPC構成の特殊性
動画編集用PCを選定する場合にPCのパーツ構成が重要なのはどの編集ソフトも同じですが,DaVinci Resolve の場合はパーツ構成を選ぶ際の選定基準が他の動画編集ソフトと少々異なる事もあり中々に選定が難しいのが現状です。
ネットで調べてみると「ハイスペックPCが必要」か「高性能でなくてもOK」と両極端な意見がかなり多くみられます。これはある意味「どちらも正解であり、どちらも不正解」なのです。これは主に下記二つの理由によります。
①無償版と有償版の混同
正確には無償版はDaVinci Resolveであり、有償版はDavinci Resolve Studioという名称です。無償のDavinci Resolveでも殆どすべての機能を有しているので一般の方がする場合は大きな差異はないのかもしれません。しかしながら有償版でないとXAVCファイルの取り扱いが出来なかったりハードウェアエンコード(GPUエンコード)が出来なかったり4K DCI(4096×2160)以上をサポートできません。(無償版でも3840x2160の4Kは取り扱い可能です。)また、無償版の方はGPUの機能を制限しております。よって高性能GPUを搭載した場合の恩恵が有償版の方より実感でいないこととなってしまいます。
②取り扱う解像度の違い
Davinci Resolveは他の動画編集ソフトに比べ取り扱う解像度により動画編集用PCに求めるスペック差が非常に大きなソフトになります。よってHD以下をメインに取り扱う方は「高性能でなくてもOK」という事になり4K/60P以上を取り扱う方は「ハイスペックPCが必要」となります。
DaVinci Resolve におけるPCパーツ構成で重要視するべき項目
①GPU性能(特にグラフィックメモリ ( VRAM )の量)
DaVinci Resolveはグラフィックメモリ ( VRAM )の量が不足すると動作が非常に不安定になることが確認されております。最悪の場合は編集時にそのままソフトが強制終了してしまうことも考えられます。安定性が必要なプロフェッショナル編集者の方は特にグラフィックメモリの量に余裕があるグラフィックカードを搭載する事が肝要です。また、グラフィックメモリが不足すると顕著に動作速度が低下する事が確認されておりますのでグラフィックメモリ(VRAM)の量が最も重要な要素です。
②CPU性能(基本的には周波数よりコア数重視*ただし例外あり)
DaVinci ResloveではCPUのコア数が重要とされております。4Kの場合は16コア/32スレッド以上が推奨となります。ただし、HD以下なら4コア/8スレッドのCPUで十分です。また、FUSIONを使う場合はコア数より周波数依存の部分が多く3GHz以上の周波数を推奨となります。
③メモリ量(Windowsがシステムで使う分+VRAM容量以上は過剰になりえます。)
DaVinci Resloveではそれほどメモリの量は必要ありません。16GBでも一般的には問題ないのですが32GBを搭載することによりメモリがボトルネックになることを防げますので32GBが推奨となります。(他のソフトを同時起動やFUSIONを利用しないのであれば一般的に4K以下で32GB以上は無意味になると言って過言ではありません。)
④ストレージ速度
これは他の動画編集ソフトと同じですが高解像度動画を扱う場合はプロジェクトファイルの置き場にSSDを使う必要がでてきます。(4K以上はNVMe接続SSDを作業ストレージに推奨)
解像度 | 推奨グラフィックメモリ(VRAM) | 推奨CPU性能 | 推奨システムメモリ量 |
1920×1080(FHD)以下の場合 | 4G(6GB以上がベター) | 4コア(6コア以上がベター) | 16GB~32GB |
4K/60Pの場合 | 8GB(10GB以上がベター) | 8コア(16コア以上がベター) | 32GB |
6K以上の場合 | 20GB以上 | 32コア(64スレッド) | 32GB~64GB |
備考 | 基本的に多ければ多いほどベター | 周波数はFUSIONを使う場合3GHz以上のCPUを推奨 | FUSIONを多用する場合は多めを推奨 |
基本構成
Comstation for Davinci Resolve 4K | Comstation for Davici Resolve HD | |
OS | Windows Pro 64bit | 同左 |
CPU | Core i9 10980X(18コア/36スレッド) | Core i5 10500(6コア/12スレッド) |
メモリ | DDR4 32GB | 同左 |
グラフィックボード | GeForce RTX 3080(グラフィックメモリ10GB) | GeForce GTX1660 Super (グラフィックメモリ6GB) |
ケース | ミドルタワー | マイクロタワー |
OSストレージ | SSD 500GB(SATA接続) | 同左 |
作業ストレージ | SSD 1TB(NVMe接続) | SSD 500GB(NVMe接続) |
保存ストレージ | HDD 6TB | 同左 |
光学ドライブ | BD対応ドライブ | BD対応ドライブ |
カードリーダー | 内蔵USB3.0接続カードリーダー | 内蔵USB3.0接続カードリーダー |
参考価格 | 740,000円(税抜) | 335,000円(税抜) |
備考 | 有償版Davinci Resolve Studioを使い4K/60Pをメインに編集するプロフェッショナル編集者向け | 無償版Davinci Resolveを使いFHDをメインに編集する方向け(*3840x2160の場合は30P以下を推奨) |