10GbE環境構築で業務効率改善

最近は10GbE対応機材の低価格化が一気に進み導入のハードルが下がってきております。編集業務効率の改善には「渡り編集」や「素材共有」が一般的に最も効果が高いと言われますが4K編集においては高速な10GbE環境の構築が必須となります。

10GbE スピード実測テスト

*テスト環境 編集機:Comstation X G + NAS:TS-1273U-RP(HDD12台搭載) SFP+ 3mカッパーケーブル接続

初めに:各種コネクタ接続方法の説明

RJ45ケーブル

一般的に出回っているLANケーブルのカテゴリー6A(カテゴリー6eもほぼ同じ製品と考えて問題ないです)で接続する最も導入コストが低い方法になります。最大接続距離が100mと短めになるで同じフロア内でNASやスイッチと接続する場合にお勧めです。
なお、CAT6ケーブルでも55mまでは接続可能ですが現在ではほぼ価格差がなく新規導入の場合はカテゴリー6Aでの接続がお勧めです。なお、当然上位のカテゴリー7でも接続可能ですが正式なカテゴリー7はRJ45コネクタでなくCG45コネクタとなり、完全にアースを取れる状況での使用を想定している製品となり一般的環境ではお勧めできません。
SFP+ カッパーケーブル(SFP+ダイレクトアタッチケーブル)
SFP+コネクタが両端に接続されたカッパーケーブル(銅線)となります。SFP+ケーブルは事故による抜けやコネクタの破損が少なく、RJ45に比べて通信品質に優れるのですが対応距離が短く(7m程度まで)同じラック内に設置してあるサーバー(NASも含む)とスイッチとの接続に使用するのが一般的です。また、各メーカーにより互換性が保たれていない場合もあり導入には注意が必要です。
SFP+ 光ケーブル(SR)
SFP+コネクタ形状の光モジュール(光トランシーバー)10GbE対応光ケーブルで接続されます。対応距離が300mと長く通信品質が良い為、別フロアにサーバーやNASがあり接続距離が長くなる場合に利用されます。こちらも各メーカーにより互換性が保たれていない場合もあり導入には注意が必要です。

なお、LRと言うより対応距離が10kmと非常に長い規格もございますがデータセンターでつかわれるなどで編集環境構築には一般的に利用されません。

お勧め10GbE対応編集機

 

Comstation X 10GbE Comstation TE4(V.3) 10GbE Comstation AP 10GbE
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コンセプト

最高の編集環境への挑戦

最新世代の Intel Xeonプロセッサー、グラフィックボード、大容量メモリを搭載し、最高の編集環境を目指した究極のフラグシップモデル。

GPUを搭載しつつもIntel Quick SyncVideo(QSV)もサポートEDIUSで4Kネイティブ編集したいユーザーに向けて。

プロフェッショナル編集者にもお勧め。

10GbE コネクタ形状 SFP+ or RJ45(選択) SFP+ or RJ45(選択) SFP+ or RJ45(選択)
ベース製品詳細 Comstation X 製品詳細 Comstation TE 製品詳細 Comstation AP 製品詳細

10GbE対応お勧めNAS

選定のポイント:NASを編集環境に導入する場合はHDDの搭載台数が重用になります。例えば2TBのHDDを8台搭載した16TBのNASより1TBのHDDを16台搭載したNASの方が高速にデータを転送可能です。

TS-873 TVS-1282T3 TVS-1672XU-RP
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特徴 標準では10GbEに対応してない物の2枚までの10GbEカードをオプションにて追加可能。価格も安価であり2-4台程度の編集機を接続するのにおすすめ ThunderBolt3ポートを標準装備しMacとWindowsの共用に最適。さらにSSDを4台搭載する事も可能。設定次第でお客様環境に最も適した状況を作り上げる事が可能 16台のHDDを搭載可能で大容量にも対応。また、二重化電源搭載、オプションで40GbEカードを搭載可能など冗長性と転送速度に優れたモデル。10台程度の編集機を接続するのに最適。
10GbEコネクタ形状 オプション対応

(RJ45,SFP+選択可能)

RJ45x2

(RJ45、SFP+の増設可能)

SFP+ x2

(RJ45 10GbEポート追加可能さらに40GbE接続への交換可能)

仕様(メーカーリンク) https://www.qnap.com/ja-jp/product/ts-873/specs/hardware https://www.qnap.com/ja-jp/product/tvs-1282t3/specs/hardware https://www.qnap.com/ja-jp/product/tvs-1672xu-rp/specs/hardware

10GbE対応お勧めスイッチ

QSW-804-4C QSW-1208-8C MSN2010-CB2F
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特徴 QNAP社の純正のスイッチとなりSFP+だけだなくRJ45ポートもサポートでき、特に設定も不要で使い勝手が良いスイッチ QNAP社の純正のスイッチとなりSFP+だけだなくRJ45ポートもサポートでき、特に設定も不要で使い勝手が良いスイッチ 大容量、高速なNASスイッチを40GbE接続で組む場合に最適。QNAP社と非常に相性が良いMellanox社の製品で導入実績も多数。
搭載コネクタ SFP+x8 RJ45x4

(同時使用は8ポートまで)

SFP+x12 RJ45x8

(同時使用は12ポートまで)

QSFPx4 SFP+x18
仕様(メーカーリンク) https://www.qnap.com/ja-jp/product/qsw-804-4c https://www.qnap.com/ja-jp/product/qsw-1208-8c/specs/hardware

その他オプション

QNA Series QXG-10G1T MCX4111A-XCAT
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特徴 ThunderBolt3ポートを10GbEに変換するアダプタ。Macでは基本カードを増設することはできませんがこれがあればMacでも10GbEネットワークに参加できます。また、ThunderBolt3の弱点である距離の問題(通常最大2mまで)を10GbEに変更することにより解決いたします。SFP+用のQNA-T310G1SとRJ45用のQNA-T310G1Tの2種類がございます。 QNAP純正の安価なRJ45タイプ10GbE増設カード。PCI-e3.0(x4)スロットを持つQNAP本体はもちろん、PCにもご使用いただけます。

 

40GbEに対応した増設カード。PCI-e3.0(x8)をもつQNAP及びPCにご使用いただけます。40GbE対応スイッチMSN2010-CB2F(上記)とQNAPを接続しネットワーク上流は40GbE、スイッチ以下は10GbE接続をすることによりより安定して高速な編集環境を構築可能です。
仕様(メーカーリンク) https://www.qnap.com/ja-jp/product/qna-tb-10gbe/specs/hardware http://shop.qnap.com/index.php?route=product/product&product_id=250 http://www.mellanox.com/related-docs/prod_adapter_cards/PB_ConnectX-4_Lx-EN_Card.pdf

導入事例

北海道 某スタジオの構成例

Mac Book Proで編集していたが新たに4K編集を始めるにあたりNASと編集機を導入していただきました。Mac Book Proと連携を図る為にTHUNDER BOLT3対応のTVS-1282T3を導入し、Mac Book ProとはTHUNDR BOLT3接続、新たに導入した4K編集機(Comstation TE 10GbE対応モデル)とは10GbE接続。プロジェクトファイルと素材をNASに置く事によりMacでもWindowsでも編集することが出来るようになり編集効率が大幅に向上。

 

東海地区 ケーブルTV局の構成例

こちらはより多人数による渡り編集に対応した事例です。12ベイモデルのTS-1232XU-RPというNASに40GbEカードを増設し40G対応スイッチMSN2010を接続、そこから10GbEスイッチQSW-1208-8Cを通してHD編集専用の旧型編集機を6台、40GbEスイッチから直接4K編集機(Comstation X Silver 10GbE対応モデル)を接続しました。ポイントは1GbE接続の上流には10GbEスイッチ(QSW-1208-8C)を接続し、10GbE接続のComstation X は直接40GbEスイッチに接続、NASと40GbEスイッチ(MSN2010)は40GbE接続にした所です。

ネットワークは上流の転送速度を速くするのが基本でありこのように構成することによりすべての機材を想定スペック通りに動かすことが可能になります。

 

 

 

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